とりあえず寝てみたら、夢に姫が出てきたよ。うわあい。
(
「本日の姫様(4)」参照)
「ゼシカの姉ちゃんは いったい どこ行ったんでがしょう」
「まさか 何者かに とっ捕まって 連れ去られたんじゃ……」
でもああ見えて、うちのゼシカさんは強いよ。切り込み隊長だし。
「案外 ひとりで リーザス村に 帰っちまったのかもな」
「なにも言わずに 出てったのは 別れが つらいからとかさ……」
「うーん ゼシカにかぎって そんなの あるわけないか」
何それ。「ゼシカにかぎって」って。君、ゼシカの何を知ってるっていうの。
「宿屋で待ってれば ひょっこり 帰ってくるんじゃねえでげすか? 」
「いや それはないだろ。いくら なんでも 不可解すぎる」
「やっぱ むさい男ばっかの パーティーが イヤになったとか……」
「安心しろ。このオレがいるかぎり 断じて それはない!」
どうしよう。この会話、面白すぎる。
とにかく外へ。
「困ったことになったでがすな。とにかく いろんな人にあたって ゼシカのゆくえを さぐるでがす」
「アッシらにとっちゃ ドルマゲスを倒した喜びが あっというまに 吹き飛ぶような 大事件でがすよ」
…ドルマゲスを倒した“喜び”?
ここで記憶を前日まで巻き戻してみよう。
闇の遺跡にて~
ケース1・ククール
「さてと オレは これで 修道院長のカタキを 討てたわけだし 晴れて 自由の身ってことかな」
せいせいした、って感じ。喜んでいるようには見えない。
ケース2・ゼシカ
「あいつを 倒したところで 兄さんは 生き返らないのよ。 しょせん カタキ討ちなんて……」
サザンビーク宿屋にて~
ケース3・トロデ
「みんな よくやってくれたわい。が 今後のことを考えると 頭が痛いのう。
まあ 今日ぐらいは ゆっくり休んでくれ」
…誰も喜んでないよ、ヤンちゃん。
寂しい気持ちでククールに話を振ってみる。
「やっぱゼシカが オレらになにも言わずに 出てくわけねーよな。
ったく 世話かけやがって」
君、ゼシカの何を知ってるって言うの。
「カタキ討ちがすめば オレは ひとりで 旅に出る予定だったんだが……」
残念、ゼシカに先を越されちゃったね。
「ゼシカを 探し出すまでは 一緒にいてやるとすっかな」
ん?
「別にいいよ、無理に一緒にいてもらわなくても」
「あん?」
「そうでがす。自分のやりたいようにするのが一番でがすよ」
「…おいおい」
「というわけで、今までありがとうククール」
「いや、あのな」
「世話になったようなならんかったような…とにかく礼は言っておくでげす」
「や、でもさ。二人より三人の方が効率いいと思わね?」
「後のことは心配しなくていいから。もともとこのメンバーで旅してたんだし」
「そうそう。兄貴とアッシの連携プレーで魔物共を一掃でがす」
「…回復役は必要だろ?」
「俺、ベホマ使えるし。将来ベホマズンまで覚える予定」
「頑張ればアッシだってベホイミくらい覚えられるでがすよ」
「待て。早まるな。もう少しオレの存在意義について考えてみようぜ、な?」
「つまり、連れて行って欲しいんだろう」
「最初から素直にそう言ってりゃあいいのに」
「…………ごめんなさい」
ククールを仲間に加え(笑)、町の外へ。
トロデを交えて報告会議。
「ゼシカの足取りをつかみ 一刻も早く 発見するんじゃ」
「わしは 忘れておったのだ! だいじな家宝の杖を ゼシカに あずけたままにしておいたのを!」
そんな大事なこと忘れんな!
「あれを なくしたとあっては ご先祖さまに 顔向けできんぞい」
トロデーンが呪われた時点ですでに顔向けできないと思う。
いや、それにしても…。
「おっさん なに言ってるでがすか。そんな こっとう品なんかより ゼシカの 身の方が
はるかに心配でがすよ」
そうそう、ヤンちゃんの言うとおり!
「皆で これからのことを 話し合おうとした矢先に ゼシカが いなくなってしまうとはのう」
「ドルマゲスにかけられた 呪いは 依然として 解けんままだし まったく 踏んだり蹴ったりじゃな」
だから前日に話し合っておけば、こんなことにならなかったんじゃないか。
「喜びも つかのまか……。もう ちぃとばかし 勝利の美酒に 酔いしれていたかったんだがなぁ」
「ゼシカのせいで せっかくの 酔いも きれいさっぱり さめちまったぜ」
そんなひどい。
「アッシらのことが キライになって ゼシカの姉ちゃんが こっそり 出ていったのなら
あきらめるでがすよ」
「けれど もし そうでなくて なんか困ったことに 巻き込まれてるなら なんとしてでも
助けたいでがす」
さっすが、人情の漢・ヤンガス!どっかのカリスマとはえらい違いだ。
こうなりゃ、姫の意見も聞いてみよう。
「同じ女である 馬姫さまなら どうして ゼシカがいなくなったのか 分かるかもしれねえでがすよ」
「女心を理解できるのは 女だけでがすからね」
…すごくまともな意見なのにヤンガスから聞くと何か、変。「女心」って。
「いなくなる前に ゼシカが 姫様に 何か伝言でも 残していれば ここで聞けるんだが……」
「いくらなんでも ゼシカが そんな遠回しなこと するわけねえか」
だーかーらー、君がゼシカの何を知ってるってのよ。
「この一大事に 姫のことを 気づかってくれるのは わしも 親として
うれしいかぎりなんじゃが……」
「今は いなくなったゼシカを 追うことのほうが 先決じゃ。ゼシカのことを 優先してくれ」
いやでもうちのエイトはそれほど忠義者じゃないから。
ささ、姫、お水を。
うわー、よかった。飲んでくれた。
(
「本日の姫様(4)」参照)
これで「お腹いっぱい」なんて言われたらどうしようかと思ったよ。
姫も知らないゼシカの行方。
私だけが知っている。だって3周目だもん。
ってなわけで寄り道の旅だリーザス村へレッツ・ルーラ!
「なるほどのう。ゼシカは出身地である この辺りに 帰ってきてると読んだか」
「犯人は 必ず現場に戻ってくると よく言うしのう……。ふむふむ」
犯人?
ああ、トロちゃんの中ではとうとうゼシカが杖強奪の犯人に…。
「ここが ゼシカの出身地?でも 残念ながら ここには ゼシカは いなさそうだぜ」
「……なんで そんなことが わかるかって?」
「う~~~~ん…………」
どきどき。
「……勘かな」
あっそ。
もっと気の利いたこと言うかと思ったのに。
「異常なーしっ。……あっ お前!」
あっ、ポルク!
「まだ サーベルト兄ちゃんのカタキは 討てないのかよっ!!
おいら その日を 楽しみに 待ってんだかんなっ!!」
相変わらず生意気なお子ちゃまだねぇ…。
「サーベルト兄ちゃんの カタキを 討ったら いちばんに おいらに 報告に来いよ!!」
来たよ。討ったよ、カタキ。ゼシカがね。
あれ、ゼシカのこと何にも言わずに行っちゃったよ。白状ね。
アローザさんがとっても寂しそうなので、何だかいたたまれなくなっちゃった。
もう行こう。
そんなわけでリーザス像の塔。
「世の中 高い建物を見ると 登らずにいられない人種がいるらしい。
オレなら ごめんこうむりたいがな」
悪かったな。その嫌味の言い方、お前の兄貴にそっくりだ。
「こんな場所に いったい 何の用でがしょうか…………」
ヤンちゃん、君まで…。
「い…いやっ!! 兄貴を うたがったわけじゃないでがすよっ!!」
いいよもう。次行こう。
ポルトリンクへ行っても何もなかったので、マイエラ修道院へ。
「いなくなって初めて ゼシカの ありがたみってもんが じわじわと 身にしみてくるぜ」
何だ何だ。ククゼシ的発言か。
「まったくでがすなぁ。あの胸は反則でがすよ」
おい、ヤンちゃん。
「オレも初めて見たときは 胸に水風船でも 入れてんのかと 見まちがったくらいだからな」
うわあい、言いたい放題だ。
「兄貴は ゼシカが出ていったのは アッシらを 嫌っていたからだと 思うでがすか?」
何だろう、ヤンガスってずっとゼシカに嫌われてるかどうか気にしてる。
なので。
→ いいえ
「じゃあ やっぱり 何か事件にでも 巻き込まれて ゼシカは ゆうかいされたと
兄貴は考えているでがすね?」
それはないだろう。
→ いいえ
「ああっ もう!聞いてるアッシも なにがなんだか 分からなくなって きたでがすよ」
ああっもう!何だよ、自分から聞いてきたくせに!
「あちこち 考えなしに探すより ゼシカのいなくなった サザンビークで
聞き込みをすべきだと思うぜ」
「探し回るのは 聞き込みのあとでも おそくはないだろうよ」
聞き込みしつつ、探し回るんだっつの。
冷静なククールにちょいムカついた。ベルガラックへ行ってやる。
「兄貴が ベルガラックに 来たのは カジノが あいてるかどうか 確かめに来たんでげすかい?」
もうちょっと兄貴を信用しなさい。
→ いいえ
「ってことは ゼシカを探す 手がかりを求めて 来たんでがすね」
「くぅー 兄貴は仲間思いの やさしい男でがすねえ」
えっへん!
だってカジノ閉まってるの知ってたもんね。
「これは カンなんだが ゼシカは これまで訪れた町には いないような気がするんだ」
またかよ。
「どうしてだって 聞かれても カンとしか 言いようがねえんだけどよ」
そうか。“町”にはいないんやな。
だったら“城”へ行ってみよう。
トロデーン城。
「…………」
見事に全員、無言。
アスカンタ城。
「…………」
はいはい、わたしが悪かったよ、もう。
んじゃ、いったんサザンビークへ戻って、それから北へ向かいますか。
その前に。
不思議な泉。
(
「本日の姫様(4)」参照)
姫にまで言われちゃ仕方がない。
いざ、北の関所へ。
門、ばらばら。モンバーバラ。
……すんません、つい。
門がぶっ壊れていて、門番も消えていましたです、はい。
「扉が 粉々でがすよ。ありゃ あきらかに何者かが ぶっ壊したに ちげえねえでげす」
的確な状況描写、ありがとう。
「誰だか知らねえが 助かるぜ。門を こじ開ける手間が はぶけたんだ。
ありがたく 通らせてもらおうぜ」
強行突破、やってみたかったなぁ。
一応、書き置きを読んでいこう。
――と思ったら、エンカウント。
うわはい、久し振りの戦闘!
ガーゴイル(×3)
エイトの先制攻撃。切り込み隊長のゼシカがいないからな。
デーモンスピアでなぎ払い。
うひゃひゃ、急所突いた。まとめて倒すのが気持ちいい。
さて、書き置きを読もうか。
こんな辺境での任務は うんざりです。
つい この間も 杖をもった変な女に あやうく 殺されそうになりました。
もう こんな生活は イヤです。任務の途中ですが ぼくらは旅に出ます。
どうか 探さないでください。
イヤになったのなら、家に帰ればいいのに。何故に旅立つ?
「もともと この旅に さほど やる気があったってわけでも ないんだが……」
だってククールはさ、世界地図と引き替えに押し付けられたようなものだからさ。
「ゼシカが いなくなったんじゃ テンションが 下がりっぱなしだ。
はっきり言って もうマイナスだな」
これもククゼシ的発言なんだろうか。
それにしても…ククールのテンションってあんまり上げたことないよ。
「あの関所を 強行突破したのは まさか……いや しかし……
いや 待て……そんな まさか……」
まさかと言わず、その通りです、陛下。
「ええいっ!! グジグジと 考えたところで どうにもならんわっ!! 前進あるのみ!
さあ 行くぞっ!!」
行け行けゴーゴー!
「悲しいっ!! まったく アッシは悲しいでげすよ!!」
悲しいねえ…って、ドルマゲス病に取り憑かれたか。
「なんのことかって? ゼシカの姉ちゃんのことに 決まってるでげす!」
「誰にも ひと言もなく いなくなるなんざあ……せめて アッシに
相談してほしかったでがす」
ヤンちゃんは、優しいね。
でもさ、「女心を理解できるのは女だけ」って言うてたやん。
さあさあ、ようやくリブルアーチだ。
PR